2019年度 援農ボランティア全体講習会@石阪農園

  • 2020.01.28 Tuesday
  • 12:00

援農ボランティア全体講習会@石阪農園

「堆肥の切り返し」

 

多摩市の援農ボランティア講習会は今年で5年目。

5期生のみなさんは4月から約1年間、それぞれの実習先の農家さんのもとに通い

農作業を学んでいますが、年に数回、別の市内農家さんの畑を訪ね、

複数名で作業する全体講習会に参加しています。

 

1月17日(金)の全体講習会は、和田の石阪農園で行われました。

講習内容は「堆肥の切り返し」。

集まった講習生たちが「堆肥ってアレかな?」と見つめる先には、

山脈のように一列になって盛られた土の山。

 

 

どうやら、今日はこの山との戦いが行われそうです。

agri agriスタッフも作業着に着替えて、一緒に頑張ります!

それにしても、朝9時半、薄日が差す程度の畑に立っていると、

二言目には「寒いー!」と言ってしまう・・。

 

講師は石阪農園の園主、石阪裕之さん。

この畑をメインに、代々の農地を受け継ぎ農業を営んでいます。

石阪さんの野菜は、アンテナショップPonteやJAグリーンショップ多摩などで

販売されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね♪

 

▲今日の作業を説明する石阪裕之さん。

 

講習生たちの予想通り、畑に盛られた土の山は堆肥でした。

市内の公園から集められた落ち葉が原料とのことですが、見た目はほとんど土。

石阪さんは、畑の入口に作られた大きな箱を指差しながら、

「集めた落ち葉は1年くらい あの中に入れて落ち着かせた後、

畑で切り返しを始めます」と説明してくれました。

 

▲箱の大きさといったら、隣に並ぶお家の奥行きとほぼ一緒。

深さも大人の背丈ほどあり、とにかくすごい量の落ち葉です。

 

切り返し(土の山の天地をひっくり返して酸素を行き渡らせる)作業は

年に5〜6回行い、それを2年やって完熟(腐らせる)させます。

未熟な堆肥は窒素分が多く、土に施すと作物の生育を妨げてしまうので、

時間をかけて、しっかり完熟させることが大事なのだそう。

 

▲講習生の前で説明する石阪さん。

 

「良く腐らせるために必要なのは、酸素・温度・水です。

なので、切り返し作業では、土を盛る時に、酸素を入れるイメージで…」と、

石阪さんがスコップを持って実演します。

 

 

スコップですくった土を、上からパラパラ〜。

なるほど。単純に右から左に土を移動すれば良いってものじゃなく、

空気を含ませるような感じで、ふわっと盛るのがポイントですね。

 

作業は、1列になっている堆肥の山を、左右からスコップで崩し、

それぞれ隣に盛って2列の山を作るという流れ。

全員スコップを持って、作業スタート!


 

サクッ、ザザッ。サクッ、ザザッ。

土にスコップが入る音、土が地面に落ちる音が軽快に響きます。

「そんなに重たくないですね」「これが落ち葉だったなんてね」

身体を動かしていくと温かくなり、会話も弾みます。

 

 

土を触ってみると、しっとりとしていながらもパラパラと軽く、

一見ほとんど土のようですが、良く見ると腐葉土化した葉があり、

微生物などによって細かく粉砕されたことがイメージできます。

 

 

作業を続けること20分。

気がつけば会話も無く、黙々と土に向かっていました。

息が上がり、腕と腰がちょっと疲れてきたかも…という頃、

石阪さんから「休憩しましょう!」と声がかかりました。

 

▲長い山の1/3ほどが平らになり、左右に新しい山ができてきました。

 

「まだ20分しかやってない…!」と時計を見る講習生たちに、

「連続でやったら体が持ちませんから休み休みやりましょう(笑)」と

甘いお菓子を用意してくださった石阪さん。やさしい〜。

 

▲しばし休憩タイム♪

 

休憩後、みなさんのパワーが復活!

石阪さんより、「スコップは利き腕に任せきりだと疲れてしまうから、

たまには反対側でもやってみてください」

また、土に対して「スコップの角を差し込むと良いですよ」と

アドバイスをもらい、後半戦も快調に進んでいきました。

 

▲作業開始から40分後。全体の半分くらいが切り返せました!

 

▲先陣を切って、山を崩していく講習生。力がありますね!

 

こまめに休憩を取りつつ、作業は終盤へ。

サクッ、ザザッ。サクッ、ザザッ。みなさん、ペースが落ちません。

講習会が始まる前はあんなに寒かったのに、今もう身体が熱い!

 

▲「ミミズいるよ!」切り返した土のあちこちからミミズが姿を現しました。

 

「こんなもんかな〜?」「終わったー!」

長かった土の山脈は平らな道になり、その両側に2つの山ができました。

 

 

 

 

この大変な作業を、いつも一人でやっている石阪さん。

他の農作業を挟みながら順々にやるようにしていて、1週間ほどかかるそうです。

 

「今日は本当にたくさんの方に来てもらって助かりました!

一人ではとても1日じゃできないです。ありがとうございました!」

石阪さんからご挨拶があり、講習会は終了。

みなさんのパワーのおかげで予定より1時間ほど早く終わりました。

 

▲終わりの挨拶をする石阪さん。

 

この堆肥は今日の切り返し作業をもって完成。

じゃがいもを定植する3月までに畑にすき込むそうです。

 

この土が美味しい野菜を育ててくれるのだと思うと、大変だけど堆肥作りって大事。

でも、落ち葉から堆肥になる過程において、畑で有用微生物を育むことができれば、

よりこの土地に合った土づくりができます。

市内の資源を有効活用できるのも良いですね。

 

 

石阪さんに挨拶をして颯爽と帰っていく講習生のみなさんの後ろ姿、

なんだか頼もしく、格好良く見えました。

 

援農ボランティア5期生の講習期間は2月まで。

まもなく修了式を迎えます。

 

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