アスパラガス採りっきり栽培セミナーin明治大学
- 2019.12.23 Monday
- 12:00
来春の作付け前の総復習!
「アスパラガスの採りっきり栽培®セミナー」に参加しました★
すっかり冬の寒さとなった12月6日(月)、
多摩市内の農家さんたちが、明治大学 生田キャンパスでの
「アスパラガスの採りっきり栽培®セミナー」に参加されるとのことで、
agri agriも同行しました。
▲明治大学のエントランスにて。参加した市内農家さんは、
増田さん・小島さん・小形さん・大松さんご夫妻・萩原さん・小暮さん。
参加した市内農家さんは、採りっきり栽培歴3年目の方をはじめ、
来春に初めて収穫を迎える方、来春から新規導入を検討中の方も。
セミナーは、まず座学からスタート。
多摩市の農家さんの他、ここ生田キャンパスのある川崎市の農家さんと、
埼玉県秩父市・三郷市の農家さんや農業関係者が教室に集まりました。
まずは、アスパラガスの採りっきり栽培を研究・開発した
明治大学農学部の元木准教授から、
一般的な栽培方法と採りっきり栽培の違いについてのお話がありました。
元木先生は、3年前から定期的に市内のアスパラガス栽培農家さんの畑を訪れ、
栽培指導をしてくださっています。(詳しくはコチラのページをご覧下さい♪)
▲元木先生は日本を代表するアスパラガスの研究者です。
従来のアスパラガス栽培は収穫までに3年ほどかかるそうなのですが、
採りっきり栽培は、定植からわずか1年で収穫が可能。
太くて立派なアスパラガスがたくさん収穫できるのも特徴です。
ポイントは定植時期と定植方法。
1年で株を大きく育てるためには株養成期間ができるだけ長い方が良いため、
露地栽培での定植時期は通常5月頃なのに対して、採りっきり栽培では3月。
まだ寒い時期なので、植えた苗が霜に当たらないように深植えにします。
▲定植時は専用ホーラー(畝に穴を開ける道具)を使うと苗を深く植えられます。
写真は2017年3月、市内アスパラガス畑で行われた講習会の様子。
具体的な作業方法について説明があった後は、
採りっきり栽培を元木先生と共同開発した種苗メーカー
パイオニアエコサイエンス(株) 園芸種子部の川崎さんから、
土作りの基礎知識や灌水(水やり)のポイントについての講義がありました。
▲パイオニアエコサイエンス(株)の川崎さん。採りっきり栽培の巡回指導の他、
ミニトマトのソバージュ栽培の講習会で講師として多摩市を訪れています。
セミナー後半は、採りっきり栽培で育ったアスパラガスの研究圃場へ!
上にも横にも立派に育ったボリューミーなアスパラガスの姿に、
「うわー、こんなに大きくなるのー?」と興味津々のみなさん。
▲まるでアスパラガスのトンネル! 大人の背丈以上に伸びていました。
元木先生は「今年の梅雨は寒くて、夏はものすごく暑かったですよね。
でも、やってることは例年通りで、灌水はほとんどしていません」と話し、
栽培中の手間やコストを極力省ける採りっきり栽培の魅力を伝えていました。
▲参加者を前に圃場の説明をする元木先生。
夏の終わりには大型の台風が2度も襲来。
強風で株が倒れてしまったり、茎が折れたりしたものの、
深植えにしているおかげで、根こそぎ抜けてしまうようなことは無かったそうです。
▲株元の様子を観察する農家さんたち。
アスパラガスの擬葉の先端に丸い実が付いているのを見た農家さんたち、
「これは種があるからメスだね」
「メスは株が強くて、いっぱい収穫できるんだってさ」
へぇ〜! 農家さんたち勉強されていますね! さすがです。
▲丸いのがアスパラガスの種。
「これも食べられたら良いのにね」なんて声も。美味しいのかなー?
農家さんたちは、アスパラガスの株の様子はもちろん、
使っている資材やその使い方などもじっくり観察。
「このネットの使い勝手はどう?」「うちの支柱は鉄筋で…」などなど
学生さんや他の農家さんとの情報交換も積極的に行われていました。
▲今後の作業工程について元木先生からアドバイスをもらう多摩市の農家さんたち。
今期初めて採りっきり栽培に挑戦中の農家さんは、
「去年のセミナーでは(質問しようにも)分からないところすら分からなかったけど、
今はちょうど栽培してるから、知りたいことが分かって良かったよ」と笑顔。
理解が深まりとても充実した時間だったようです。
セミナーの帰り道、農家さんたちの話題は次の春の作付けについて。
定植数や畑の場所をイメージしながら「来年はどこに植えようかな」、
「種から育ててみたいな」と、ちょっと冒険もありそうな予感…☆
年々、定植数を増やしている多摩市産アスパラガスですが、
まだまだ盛り上がりを見せてくれそうです!
(わたしは今から来春の収穫期が楽しみでなりません♪)
(a)
※「採りっきり栽培」「ソバージュ栽培」は、パイオニアエコサイエンス株式会社の登録商標です。