市内中学生の職場体験@小暮農園
- 2019.09.28 Saturday
- 12:00
農家さんのお仕事に挑戦!
生産から販売までを学んだ職場体験☆
9月10日(火)〜12日(木)、一ノ宮の小暮農園に市内の中学生が
「職場体験」にやってくると聞き、最終日の12日(木)、取材に伺いました。
多摩市内の公立中学校で行われている「職場体験」は、
中学2年生の授業の一環で、3〜5日間、市内や近隣事業所の協力のもと、
生徒が希望する職場に入って仕事の一部を体験する貴重な機会。
しかし、都内に暮らす中学生で「農業」を選ぶ生徒っているの?と、
思ってはいけません。
結構人気な職種だそうで、小暮農園では15年程前から受け入れをしており、
スケジュールにもよりますが、年に2〜3校から生徒がやってきます。
今回は鶴牧中学校の男子生徒3人。
初日の作業は夏野菜の畑の後片付け、
2日目はササゲの鞘(さや)取りとブロッコリーの植え替えを体験。
そして3日目も朝9時〜、農作業スタート!
▲小暮さんから万願寺唐辛子とピーマンの収穫方法を教わります。
服装は学校の体操着ですが、つば付きの帽子を被り、首にはタオル、
収穫用のカゴとハサミを持って、しっかり農作業スタイルの中学生たち。
万願寺唐辛子の収穫方法を説明する小暮さんの手元をよーく見ていました。
収穫に適したサイズの見極め方、切る位置、虫食いは無いか、
熟れすぎていないか…などなど、見るべきポイントがたくさん!
「それじゃあ、ここの万願寺とピーマンは頼んだよ。
くれぐれもハサミで手、切らないようにね〜」
小暮さんから指示をもらって、それぞれの場所で収穫が始まりました。
▲万願寺唐辛子を収穫中。腰には収穫用の竹カゴ。
▲ピーマンの収穫作業。鈴なりのピーマンは収穫のしがいがある!
始めは、収穫して良いサイズかどうかの判断に迷いがあった様子でしたが、
徐々に慣れてスピードアップ。
全体を見渡して、取り残しが無いかチェックしながら進んでいました。
職場体験で「農業」を希望した理由をそれぞれに聞くと、
3人ともまずは「なんとなくー」と恥ずかしそうに言うのですが、
その後に、食や農業に興味を持ったきっかけを話してくれました。
親戚が大きな農家さんで、自分も手伝ったことがあり興味を持ったとか、
将来は栄養士など食に関係する職業につきたいから野菜のことも学びたいなど、
とっても具体的。なーんだ、ステキな理由で選んでいて、かっこいいじゃん!
▲作物の間からカエルがひょこっと出て来ると、男子生徒のひとりが、
「カエルは害虫を食べてくれるいいヤツなんですよ」と、教えてくれました。
▲小暮さんは次の作業の準備。「次は夏野菜の畑の解体作業をやるぞー」。
万願寺唐辛子とピーマンの収穫を終えて、
次は、夏野菜の畑の撤去作業です。
今シーズンの収穫期を終えたキュウリとミニトマトの支柱を解体し、
畑をまっさらな状態に戻していきます。
小暮さんから指示をもらい、順番に支柱を取り外していきます。
「じゃあ、俺、これ外すから、これ持ってって」
3人で協力しながら、紐をほどいたり、支柱を束ねて運んだり、
チームワーク良く作業を進めていました。
この解体作業、1人でやるには相当な労力。
自分で作ったものを壊すというのは気持ち的にもヘビーですが、
これをやらないと新しく野菜を植えられないのですから、やるしかない。
「畑を作る時は勢いがあって良いんだけどね〜(笑)」と小暮さんも話します。
今日は彼らも一緒に頑張ってくれて助かりますね!
▲解体後の畑で草取り。道具を手に、みんな黙々と雑草を抜いていました。
12時が近づき、お昼休憩の時間がやってきました。
「よーし、そろそろ戻って、昼休みにしよう」
小暮さんがみんなに声をかけて、一同、小暮さんの自宅へ戻ります。
12時〜13時はランチタイム。
みんなお弁当を持ってきていました♪
小暮さんの奥様、敦子さんお手製のおかずも並びます。
万願寺唐辛子の甘辛炒めとゴーヤのふき昆布和え。
もちろん畑で採れた野菜です。これがまた美味しい!
万願寺唐辛子の甘辛炒めを食べて、
「辛くないんだ」「辛くないよ」「辛かったりして」と、
あれこれ言いながらも美味しかったらしく、すぐに完食していた3人。
ゴーヤのふき昆布和えも「うまっ」「苦くないや」と、パクパク。
午後の仕事のためにも良く食べて、力をつけておかなくちゃですね。
お昼休憩が終わり、午後一番の仕事は野菜の袋詰め。
13時半から、聖蹟桜ヶ丘のスクエア裏で始まる直売所「いきいき市」に
野菜を出荷するための準備をします。
午前中に収穫した万願寺唐辛子とピーマン、ゴーヤを、
重さを量ってビニール袋に入れ、テープで封をして、値札を貼る、という
一連の作業を敦子さんから教えてもらいながら、3人で手分けしてやりました。
出荷する野菜を車に積んだら、みんなで いきいき市に出張職場体験へ!
▲多くのお客さんが列を作って開店を待つ、いきいき市の店前。
中学生3人、いきいき市のお店を切り盛りする農家さんたちに
「こんにちは!」「よろしくお願いします!」と挨拶。
小暮農園の野菜を次々と売場に並べていきます。
▲自分たちで袋詰めした野菜、お客さんは買ってくれるかな?
13時半になり、開店!
お客さんたちは、お目当ての野菜を次々と買い物かごに入れていき、
お会計にはすぐに行列ができました。
いつもなら農家さんたちがレジでお客さんの買い物カゴを受け取ったり、
精算後の野菜をお客さんが持ってきたエコバッグなどに詰め替えたりを
手伝っているのですが、
「今日は、若い子にやってもらおう!」と、バトンタッチ。
3人で「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」と、
お客さんへの挨拶も忘れずに、買い物カゴや野菜を受け取っていました。
若々しい店員さんの頑張りにお客さんもほっこり。
手伝いに来ていた農家さんたちも「今日は遊んじゃったわ(笑)」と嬉しそう。
▲売場に並ぶ野菜を見て回る3人。
農家さんとのコミュニケーションも楽しんでいました。
忙しさが一段落した後は、売場のPOPを付けるのを手伝ったり、
空いたケースを片付けてお店をキレイに整えたりと、お手伝いに奔走。
今日一日で、畑での農作業から野菜の出荷準備、
そして農家さんたちのお店である直売所での仕事も体験できました。
14時半になり、実習の終わりの時間が近づいてきました。
いきいき市のみなさんとお別れをして、小暮農園に戻り、
小暮さんと今日の作業の振り返りと今回の職場体験のまとめをしました。
「3日間、ご苦労様でした!」と、頑張ったみんなに小暮さんから
お礼の野菜のプレゼントが渡されたことは本当はナイショなのかな?
でも、自分たちが働かせてもらった地元農家さんの野菜の味を知ることも
大事な勉強のひとつ。
しっかり味わって、今度は直売所へお買い物に来てね!
そして、今回の体験を通して、さらに食や農業へ関心が深まり
それぞれの将来に繋がっていったら良いなぁ。
「ありがとうございました!」と、お礼を言って爽やかに帰って行く3人。
姿が見えなくなるまで見送っていた小暮さん・敦子さんの優しさにも触れた
ステキな職場体験でした。
(a)
- 四季折々、『農』のある風景
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