ぶどうの剪定作業
- 2016.12.26 Monday
- 10:44
関戸のぶどう畑で剪定が行われました
冬は、果樹の剪定(せんてい)の季節です。関戸の藤井睦夫さんのぶどう畑でも、12月中旬に剪定が行われました。
ぶどう畑に着くと、夏場の青々としたまぶしいぶどう棚はどこへやら。すっかり、枯れ枝の集まりのようになっていました。
ぶどうはただいま休眠中。寝ている間に、来年夏の収穫の準備をしていきます。
今回の剪定には、東京都南多摩農業改良普及センター指導員の原島さんとJAの職員に加え、今後ぶどう栽培を考えているという市内の農家さん2人も見学に来ていました。
左が藤井さん、右が原島さん。
この日の剪定は、寒さが本格的になる前に行う「粗(あら)剪定」。伸びすぎた枝や重なり合った枝を大まかに切り、降雪時、雪が枝の上に積もらないようにします。雪の重みでぶどう棚がつぶれてしまうことがあるのだそうです。
ぶどう棚の冬越えの準備ですね。
ぶどうの枝は1年で10mほども伸びるのだそうで、実際にその長さを目にすると、こんな華奢な木からよくぞこんなに伸ばせるもんだと感心してしまいます。
「ここは土がいいから、枝もぐんぐん伸びちゃうんです」と原島さん。伸びた枝を放っておくと成長期に葉が重なり合い、光合成ができずに栄養不足になるのだそうです。元気のない枝には病害虫もつきやすくなります。
剪定は、ぶどうの木を元気にし、美味しいぶどうを作るための大事な作業なのですね。
「ぶどうは、手をかければちゃんと応えてくれるんだよね」と、藤井さん。その時その時に、丁寧にぶどうの状態を見て、その時その時に合わせてケアしてやることで、木は元気になり、美味しい実をつけてくれると話します。
「どこから切ろうか」
シャインマスカットの剪定について
原島さんにアドバイスをもらう藤井さん。
剪定と同時に木の皮もむきます。
皮をむかれ、裸にされたようなぶどうの木。見るからに寒そうです。
「なんか可哀そうだよな」と藤井さんからの同情の声に、
「寝ているから寒くないです」と原島さん、笑いながら答えていました。
皮の中で冬越しする虫を防ぐためにも必要な作業なのだそうです。
大胆に、ばっさりと切っていきます。
だいぶスッキリしました。
2時間半ほどでこの日の粗剪定は終了。
粗剪定のあとは、2月に本剪定を行います。本剪定では、どの枝にどう実をつけさせるかプランを立てながら、再度細かく剪定し、樹形や枝の位置を整えていきます。
「ぶどうは、木で完熟したものが、やっぱり美味しいです」と原島さん。
完熟したものを収穫し、その日のうちに店頭に並べることができるのは地元産だからこそ。地元産のぶどうが美味しい理由の1つですね。
今年の夏に販売された藤井さんのぶどう「藤稔」。
ぶどうさん。ゆっくり休んで、美味しい実をつける元気をしっかり蓄えてね。
(K)
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