きしさん紹介

  • 2014.08.30 Saturday
  • 17:56
新しくて個性的な野菜が
農業も直売所もおもしろくする!

 

「多摩市に新しい名産品を!」と、仲間と地酒のための酒米や多摩市産の味噌をつくったり、それらの加工品を扱う「多摩市農産加工組合」を組織したり、また給食部会を立ち上げたり。
㟁(きし)俊昭さんは、今の多摩市の農業を先に先にと進めてきたひとりとも言えます。
私の印象では、<多摩市農業の親方!>的な感じでしょうか。Docomo_kao1
農薬や化学肥料を削減してつくられる農産物を都が認証する、京都エコ農産物認証生産者でもあります。


多摩市産味噌「原峰のかおり」

いろいろな取り組みを提案し、組織立ててきた㟁さん。
「自分ひとりだけでは、何かに挑戦したくても大掛かりなことはできない。
みんなで協力する体制をつくるのが大事なんだよな」
70歳を超えた今も、精力的に「挑戦者」です。
 
㟁さんは、関戸に1町2反、12,000屬旅い田畑をもちます。
ニュータウン開発をきっかけに多摩市では農業をやめる農家さんもいる中、㟁さんは昔からの農地を今も守っています。
それぞれの農家さんなりの事情があるのも分かると話したうえで
「オレは、正々堂々と農業をやって農地を守っていきたい」
親方! カッコいい。
kyu

  
畑の奥はきゅうり、手前はとうがらし

現在は主に㟁さんが作業を行い、植栽管理会社を営む息子のタクヤさんが仕事前の朝に、昼間はタクヤさんのお嫁さんのアキコさんが農作業を手伝っています。
お邪魔した真夏の畑には、にんじん、とうがらし、なす、落花生、さつま芋etc.
とにかくいろいろな種類の野菜が畑に並んでいました。


  

田んぼには、緑色の稲が涼しげになびいています。
米の種類も、もち米、黒米、食用米と複数です。



「以前は、もっといろいろなことをやってたよ」と㟁さん。
本家は、もともと製薬の仕事をしていたのだとか。
分家だった㟁家は、本家から土地を買い取り農業を営んできたそうです。
終戦直後は乳牛を飼っていたこともあったとか。
「7頭はいたかな」
当時は、多摩で乳牛を飼っている農家は珍しくなく、50件ほどあったそうです。
「都が農家に牛を貸し付けて、メスが生まれたら都に返す。そんな仕組みだった」
㟁さん宅の牛乳を、浅草のアイスクリーム屋さんが買いに来ていた頃もあったとか。

今は都内で見かける牛乳のほとんどが地方産ですが、都内で消費される牛乳を都内産で賄っていた時代があったんですね。
「でも都市化して人が増えると、畜産は臭いで敬遠されるよね」
街が発展する中で、東京の畜産のほとんどが消えていったようです。

現在、㟁さんは烏骨鶏を飼っています。
㟁さんの烏骨鶏のたまごは、直売所で販売されています。



 
 直売所に並ぶ㟁さんの野菜は、なかなか個性的です。
見た目と味にギャップのあるグランドペチカ(左)。じゃがいもの一種です。
ひょうたん型のバターナッツかぼちゃ(右)。

  
色鮮やかなほうれん草の仲間スイスチャード。
甘酢漬けにすると色が美しいビッグサイズの赤カブ。
 
聖蹟桜ヶ丘駅近くの直売所「いきいき市」でレジを担当する娘のチハルさんも
「うち、変わったのが好きなのよね〜」と話していました。
 
「直売所は、いろいろなものがないと楽しくないからさ。
同じものばっかり並んでたって、お客さんは飽きちゃうよ」
確かに、見たことがない野菜に出会えるのも直売所の楽しみのひとつです。
直売所にやってくるお客さんの話や様子から、「こんな野菜が喜ばれそうよ」とチハルさんから提案があることも。
お客さんの要望も、次に作る新しい野菜の参考になっているようです。
 
いつから新しい野菜づくりを?
「大事だと感じたのは、学校を卒業して家の農業を手伝い始めた頃」と㟁さん。
ある日、㟁青年は畑でわらびを見つけ、わらび栽培をやりたいとお母さまに提案したそうです。
しかし「金にならない」と、あっけなく却下。
そんなある日、テレビでわらびの促成栽培で成功している農家があることを知ります。
「やっぱり、農業は保守的だと続かない。新しいことを考え続けていかなきゃだめだなって確信したね」

多摩市の農家さんたちの取材を重ねる中で、みなさん新しいことに挑戦する気持ちがあることに気づきます。
保守的になり過ぎず新しいことを開拓していく姿勢が、農業を活性化し継続させるひとつのカギでもあるようです。

↓冷たく新鮮な井戸水できれいになる㟁さんの野菜たち。
  
 
でも、新しい野菜作りは失敗がつきものですよね。
「失敗はたくさんあったさ」と㟁さん。
早く収穫し過ぎたり、遅くなりすぎて実が落ちたり。
「でも、それが勉強だからいいんだよ」と㟁さん太っ腹。
失敗を気にしない、むしろ失敗が大事と考えられることが新しいことに挑戦する力になるのでしょうね。

 
㟁さんの畑には、社会科見学や生活科の授業で小学生たちが学びに来ます。


「今の子供たちの話は面白いよね。いっぺんに60人くらいくるから大変なんだけどな」
そう言いながらも、孫を思うように顔がほころびます。

今回の忙しい夏の農作業の合間の取材は、ヒメトウガラシの実を取る作業をお手伝いしながら話を聞く予定でしたが



「手が痛くなるから、いいよ。俺だけやるから」と、優しい㟁さん。
<親方!>と、その優しい対応に感動している私に
「食べてみな。大丈夫、のどを通るときちょっとピリッとする程度だから」と、激辛のヒメトウガラシ
火を味見させましたが。
 
今は、1年に4回収穫できる小松菜栽培に注目しています。
「もっと短期栽培ができそうな、べか菜も気になってる」




栽培法を試行錯誤しながら、今年も新しい農業に挑戦中の㟁さんです。
 
(K)
 

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