多摩市の田植え紹介

  • 2014.06.18 Wednesday
  • 09:00
田植えと言えば、6月の多摩市の風物詩 

多摩市の田植えは、一般的な時期よりも少し遅めの6月です。
6月中旬を目安に、各農家で田植えが行われます。
 
「各農家」と言っても、現在多摩市で米を作っている農家は4軒だけ。

その中でもいちばん広い田んぼをもつ、太田茂さんの田植えにお邪魔しました。


 
あいにくの雨降り。
「田植えは水の中の作業だから、雨なんて関係ないよ」とワイルドな太田さん。

菅笠(すげがさ)姿に田んぼ。



昔の風景に迷い込んだ気分になってしまいます。
 
太田さんの田んぼでは、前日、多摩市の地酒「原峰のいずみ」に使う酒米の苗の田植えが行われていました。

酒米の田植えには、次男の貴之さんが苗の植わり具合を調整していました。



そして今日は、食米の田植えです。
太田さんが作っているのは「コシヒカリ」。
旨みも粘りも、香りもツヤもいい!と評判です。
 
田植えをするために、田んぼは数日前から「代掻き(しろかき)」という準備をします。
まずは田んぼをトラクターで耕し、その中に水を入れ、さらに耕します。
この作業が「荒代(あらしろ)です」。

これが荒代の田んぼ。


 
まだ土が粗いので、水を吸ってしまいます。
荒代の田んぼに、米の栄養となる元肥をまきます。
 
1〜2日置いておくと、土が落ち着きます。
そこで仕上げの「代掻き」。田んぼの中をきれいにならしながら、土を細かくします。
細かくすることで、水の含みがよくなり水が貯まります。

これが代掻きが完了した田んぼ。


 
田んぼの準備が終わると、いよいよ田植えです。
田植え担当は、長男の盛久さん。
手慣れた様子で、田植機を動かしています。

  

  

このドロドロの田んぼの中に等間隔に苗を植えていくのだから、見ているだけで難しそう。
折り返しは、チョー小回り!!
 
1つの田んぼの中を行き来し、まんべんなく植えていきます。
まるで、一筆書きのよう。
カシャン、カシャンと音を立てながら苗が植わっていく様子は、ミシンで模様を縫っているような、そんな気持ちよさがあります。
 
盛久さんは、祖父の代から田植えの様子を見てきたとか。
数年前から、田植えを任されています。
「最近は、自分だけでやらせてもらってますが、以前はよく親父に怒られました」
慣れない田植機に、苗の列がぐねぐねに曲がってしまうことがあったとか。
まっすぐに植えないと、稲刈り機が使えず大変なのだそうです。



 
田植え時の、水の管理も難しいとか。水が多すぎると苗が浮いてくるし、少なすぎると植わりません。
また、田植機の操作のしやすさも水の量で変わってくるとか。
「水の管理ができたら一人前と言われますけど、まだまだ難しいですね」と盛久さん。
とはいえ、田植は1年に1度。10年やっても、10回しか経験できません。
1年1年の田植えが、貴重な体験になるのですね。
 
以前は、ここ一帯は見渡す限り田んぼだったそうです。
 「山があって、山から棚田が下りてきて、下には田んぼが広がってて。
もちろん、ほたるもいたし、いもりもいた。水の中にも生き物がいっぱいだったよ」と太田さん。
その風景を想像しただけで、心地よい気持ちになります。
今は、ビルや住宅が立ち並ぶ多摩市ですが、昔はのんびりと田んぼが広がる風景が当たり前だったんでしょうね。
代々の田んぼを大事に残してもらっていることに、ありがたさを感じます。
 
「機械化のおかげだね。機械じゃないとこれだけの田んぼは扱えない」と太田さん。
ずいぶん前は、人手が足りないので、近所の人たち総出で植えに行ったり植えに来てもらったり。
千葉方面から手伝いに来てもらっていたこともあったそうです。
もちろん、牛や馬も使って作業。
「泥の中を歩かされるから、ストライキ起こすやつもいるんだよ。疲れた、動きたくないって(笑)」
牛や馬も大変そうですが、のどかですね〜。
 
ちなみに、これも田んぼで見つけた便利グッズ、「苗箱洗浄機」!




土で汚れた苗箱が、洗浄機に1、2、3と出し入れすると、あっという間にきれいに。

   

「以前は、全部たわしで洗ってたから時間がかかって大変だったの」と苗箱洗い担当の奥さま良子さん。
苗箱洗いが大変そうだと、ご主人の太田さんが探して購入してくださったそうです♡
電動の洗浄機もあるそうですよ。いろいろなものが、機械化されているんですね〜
 
田植されたばかりの田んぼに、あっ、鳥がいる!かわいい!




「あれが困っちゃうんだよ。田んぼを滑走路にして飛んでいくから、植えたばっかりの苗が抜けちゃうんだよね」
田んぼにとっては天敵なのですね。失礼しました。
 
順調にいくと、お盆の頃に花が咲き、10月に稲刈りが行われます。
 
今年の多摩市産のお米は、どんな味になるのでしょう。
すでに秋が待ち遠しい「田植え」でした。
 
(K)