萩原実夫さん紹介

  • 2014.05.26 Monday
  • 15:15
地元のお客さんと直接関われる農業を
 
 萩原実夫さんの畑は、連光寺地区にあります。
以前取材した、萩原重治さんの畑に近いですね。




「重治さんのところとは、家も斜め前。
以前は農機具やもちつきの臼や杵など共同で購入して、みんなで使ってた」と萩原さん。
「そういうの、『組合親戚』って言ってたんだよね」と教えてくださいました。
昔は、ご近所さんと親戚のような深い付き合いがあったということなのでしょうね。
 
萩原さんは、結婚を機に家業である農家を継ぎました。
「オレで6代目。でも南多摩地区で6代目は、まだまだ浅いほう。長いところは13代、14代だっているからね」
東京都が主催するUターン農業後継者セミナーに通い、家で畑作業をしながら、2年間農業の勉強をしたそうです。
セミナーの最後の課題である「自由研究」は、有機栽培についての論文に臨んだとか。
「実際には、有機農業で続けるのは根性がいるよ」
今は有機栽培ではないけれど、できるだけ農薬を使わない栽培を心がけているそうです。
「少々見栄えが悪くても、許される範囲までは農薬は使わないように」と、安全安心な野菜作りを大切にしています。

 
暑くなりだした5月の畑には、菜の花が一面に咲いていました。




「もう、刈らなきゃいけないんだけど。」と笑いながら萩原さん。
隣には、グリンピースや絹さやが育っていました。




菜の花に大きな青虫発見! 農薬の少ない畑だからこそですね。


 
畑は、夏に向けた栽培準備の真っ最中。




これから植える、トマトとサツマイモの苗がありました。

  

「このあと、しょうがも植える予定。夏に向けて、今年は初めてのコリンキーに挑戦するつもり」
コリンキーとは、かぼちゃの一種。早めに収穫すると、生食できます。
サラダにも使えるので、夏の野菜としては重宝しそうですよね。




これがコリンキー。写真は、「サカタノタネ」より。
 
萩原さんの野菜は、聖蹟桜ヶ丘駅近くの「いきいき市」でも販売されていますが、
実は、夕方に野菜の訪問販売もしています。
「要するに、引き売りね。豆腐屋さんがよくやっているでしょ」。
軽トラにその日に採れた野菜を載せて、住宅街まで直接売りに行くそうです。
始めたきっかけは?
「話すと長いんだけど」と、笑いながら、結婚したばかりの頃の苦い経験を教えてくれました。
 
農業を始めたばかりの頃は、小松菜やほうれん草を県外の市場に卸していたそうです。
市場からの支払いは、ひと月分のまとめ払い。
「初めての支払い日は、すき焼きにしよう!」と、結婚したばかりの奥さんと楽しみにしていたとか。
いよいよ支払い当日。
「帰りに、肉を買ってくるからね!」と、いそいそと市場に向かった萩原さん。
セリで決まる値段ですが「それでも、少しはまとまったお金が貰えるだろう」と思っていたら
ふたを開けてみると、なんと自分が想像していた値段の10分の1以下で取引されていました。

「これじゃ、子供のミルクも買えやしない…」
自分が一生懸命作った野菜に、勝手に安い値段を付けられたことに愕然とすると同時に悔しさも。
「もちろん、肉は買えなかったから、その日の夕飯はボンカレーだったよ(笑)」



 
その苦い経験から、「自分の野菜は、自分で売りたい!」という気持ちが高まり、引き売りを決意したのだそうです。
始めてみると、直接玄関まで野菜を運ぶ売り方は多くのニーズがあったとか。
「赤ちゃんを産んだばかりだったり、お年寄りだったり。スーパーまで買い物に行けない家庭は結構あったんだよね」と萩原さん。
若いころは200件ほど、今も50〜60件の家庭とお付き合いしているそうです。
長い付き合いの中、お客さんとの信頼関係も深まったそうで
「おつりがないときは、次回払ってねって(笑)。つけがきくんだから便利でしょ」
つけたまま引っ越したお客さんもいたそうですが、
「近所の人にお金渡したりして、みんなちゃんと払ってくれたんだよ」
中にはつけのお金と一緒に、「今まで、ありがとうございました」というメモまであったこともあったとか。
「うれしいよね」
長年の直接顔を合わせた付き合いが、作る人と買う人とのいい関係を築いてきたことがわかります。
 
「自分の作ったものに、自分で値段をつけて売れるっていうのは、満足感を感じる」と萩原さん。
安全な野菜作りにがんばっている。その苦労が報われますよね。
 
実は、JAの職員さんから「話はおもしろいし、とにかく優しい人です」と紹介された萩原さん。
さすがその前評判通り、取材当日の行きも帰りは、車で送り迎えしてくださいました。
萩原さんは、JAの野菜即売会の会長さんでもあります。
一人で畑作業やっている上に、大変ですね。
「多摩市の農家仲間は、みんな大変な中やってる。自分だけ楽できないよ」
こういう、責任感をもった発言ができるってステキです。
直接販売で、多くのお客さんから信用を得ているのもわかります。
 
帰り際。
「今度は、ブルーベリー畑を案内してやるから」
最後まで、温かい気遣いを忘れない萩原さんでした。




(K)

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>

selected entries

categories

archives

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM