相澤農園での農福連携の取り組み紹介

  • 2019.01.23 Wednesday
  • 17:06

相澤農園で週2日、障がい者を雇用

 

諏訪の相澤農園には現在、毎週火曜日と水曜日の週2日、障がいのある方が定期的に働きに来ています。

作業時間は午前9時半から11時半の2時間です。

 

通っているのは、市内の障がい者の就労継続支援を行う福祉サービス事業所「暉望(きぼう)」が運営する

就労継続B型事業所「色えんぴつの家」の利用者さん。

基本的に毎回2〜3人が通い、作業時間に合わせて相澤農園から契約した分の工賃が支払われています。

 

 

障がいを持つ人が地域の農業に取り組むことを通して、社会参加を促す「農福連携」。

農業での担い手不足などの課題解決法としても期待できると、

今、全国で注目を集めています。

相澤農園と色えんぴつの家の取り組みも、この「農福連携」の試みとも言えますね。

 

年の瀬が迫る12月の下旬、相澤農園に来ていたのは、色えんぴつの家の黒田さんと多部さん。

お二人には、知的障害があります。

その二人と一緒に作業するのは、事業所スタッフの小暮さん。

小暮さんは、毎回利用者さんに同行し、相澤農園での作業をサポートしています。

 

▲身支度をする黒田さん(真ん中)と多部さん(右)。

後ろを向いているのが小暮さん。

 

「今日は、畑のマルチを外してほしいんです」。

相澤農園の相澤孝一さんが小暮さんにその日の作業依頼をすると、

慣れた様子で3人は畑へ向かいます。

「小暮さんは、どこに何があるか、もう分かってくれている。俺がいなくても、大丈夫」と、

相澤さんは、小暮さんに現場を任せています。

 

 

「まずは、枝についた紐を取って」「多部さんは、紐を受け取って」

小暮さんの丁寧な指示に、二人ともすぐに作業を始めます。

 

▲役割分担することで、効率的に作業が進みます。

 

マルチをはがし、その後には堆肥を撒き土を平らにならしていきます。

 

▲マルチの片づけは何度も体験済み。

 

「僕がやれば早いですが、二人に仕事ができるようになってもらうことが目的ですから」と小暮さん。

指示は、ゆっくり丁寧に。慌てさせず、作業はゆっくりと。

「ゆっくりやるように促したほうが、作業はスムーズに進みます。

本人たちも、できた達成感が持てるようです」と小暮さん、二人のそばで優しく見守っていました。

 

▲堆肥を撒く量は均等に。作業が1つひとつ丁寧です。

 

障がいのある人が相澤農園で働くようになったきっかけは、

相澤農園が「多摩市障害福祉ネットワークたまげんき」に、

夏場の健幸トマトの栽培と収穫の手伝いを頼んだこと。

 

6月から8月までの約3か月間の契約で、

10か所の福祉作業所の利用者が交代で相澤農園で働きました。

その健幸トマトの仕事に通っていた色えんぴつの家が、契約終了後、

改めて、通年で農園に通う契約をお願いし、10月半ばから通うことになったのだそうです。

 

▲夏場に収穫した相澤農園の健幸トマト(写真は相澤農園提供)

 

色えんぴつの家のみなさんが相澤農園で仕事を始めて、約4か月。

「最初は、どんな人が来るのか、正直心配だったよ」と相澤さん。

通い始めの頃は緊張もあってか、

相澤さんが声をかけても返答がないといった様子もあったそうですが、

今では、相澤さんと笑顔でおしゃべりもするように。

心を開いてくれたことに、相澤さんも嬉しくなるのだとか。

 

特に黒田さんと多部さんは、相澤農園の仕事に意欲的。

農業は初めてですが、外での活動が好きなのだとか。

「作業日には、自分から『行きたい』と言いうんですから、頼もしいです」と、

小暮さんも嬉しそう。

 

施設長の大木田さんも

「相澤さんは、二人のことを『仕事をする人』という目でちゃんと見てくれる。

その相澤さんの対応が、二人に自信と意欲を持たせていると感じます」と話していました。

 

▲作業の様子を見守る大木田施設長(右奥)


黒田さんたちの働く様子について

「とにかく、仕事が丁寧で感心しますよ」と相澤さん。

「お金を貰っているのだから当然」と小暮さんは話しますが、その丁寧さが助かるそうです。

「例えば」と、相澤さんが教えてくれたのがえんどう豆の畑。

黒田さんたちが定植作業をした畑は、きれいにマルチが張られ、大きく枝が伸びていました。

「でも俺だと、忙しくて時間がなくなると、マルチを張らずに済ませてしまうこともあって」と

相澤さん、苦笑い。

マルチがないと雑草が増える上、地温が上がらず成長にも影響します。

障がい者さんたちの丁寧な作業が、野菜の質にもつながっているようですね。

 

▲右のネットも色えんぴつの家のみなさんが張りました。

 

この日の最後の仕事は、堆肥(たいひ)の材料にするために剪定枝を細かく切る作業。

「もっと短く折って」「あと10分だよ」

小暮さんから、必要に応じて声がかかります。

 

 

2時間の作業は終了。

畑は整地され、剪定枝はきれいに切り刻まれました。

寒い中、お疲れ様でした。

 

▲手を洗って帰り支度をします。

 

「仕事はとっても真面目。しっかり2時間作業してくれる。

俺はその間、別の仕事ができる。忙しい農家にとっては、本当にありがたいよ」

相澤さんは、今回の取り組みにメリットを感じています。

 

事業所側としても

「何より工賃をいただけるのがありがたい」と大木田さん。

1年通しての相澤農園の仕事が、事業所の運営にとって安定の一助となるとともに、

働く一人ひとりの意欲にもつながっていると話します。

 

▲休憩時間に談笑中(右が相澤孝一さん)。

 

 

相澤農園では、農、福「win-win」の関係ができつつあるようです。

多摩市での農福連携。

地域の元気のためにも、農業と福祉の良い関係が広がって行けばいいですね。

 

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