相澤孝一さん紹介

  • 2016.09.15 Thursday
  • 10:34

直売所は元気の供給所

地元野菜で地域を元気に!

 

諏訪で農業を営む相澤孝一さん。

相澤さんと言えば「農業ウォッチングラリー」での畑クイズです。相澤さんが出題する、畑にまつわるマニアックなクイズに会場は毎年大盛り上がり。「畑はおもしろいよっ!」という思いがたくさん伝わってくる相澤さんの話に、こちらも元気になります。

農業委員として毎年訪問している市立南鶴牧小学校でも、相澤さんの話は子どもたちに人気です(東落合小学校を訪問した際のブログはこちら

 

そんな相澤さんの畑は、諏訪と関戸にあります。

夏野菜の収穫もそろそろ終盤になり、冬野菜の準備を行う9月上旬に諏訪の畑に伺いました。

 

 

年間約80種の野菜を作り、畑には約20種の果樹を育てています。

販売しているのは、諏訪と馬引沢の2か所の無人直売所。

1日80〜100袋の野菜を出しますが、毎日ほとんど完売するそうです。市内の学校給食にも、野菜やブルーベリーを出荷しています。

 

諏訪の直売所

 

馬引沢の直売所(直売所の写真は2枚とも相澤さん提供)


 

相澤さんの畑には、おもしろい工夫がたくさんあります。

ひとつは、手造りの池。

 

 

相澤さんと息子さんとで半月かけて造り上げたこの池には、ヒキガエルとトノサマガエルが放してあります。

「畑の虫をたくさん食べていると思いますよ」と相澤さん。エサをやっていないのに、池のかえるは丸々と太っているそうです。池を造った5年前、害虫駆除のためにわざわざ連れてきたかえるですが、今はこの池で毎年卵を産むようになりました。池には、ドジョウ、メダカ、ハヤ、オイカワも。知り合いにもらったという蓮や水草は、水の浄化に役立っています。まさにビオトープです。

 

ブルーベリーの木には、カマキリの卵が吊り下げられています。

カマキリは、背の高い作物につく虫を食べてくれるそうです。

 

鳥に卵が食べられないようペットボトルで

保護しています(写真はすでに孵化した後)。

 

手造りの池にカマキリ。相澤さんがこんな工夫をするのは、農薬を使いたくないから。

「野菜にはどうしても、虫がついてしまう。でも、農薬に頼らず自然に作りたいから」と相澤さん。畑に農薬は一切使っていません。

 

野菜の根元には、防虫効果があると言われる

コンパニオンプランツの

マリーゴールドとニラが植えてありました。

 

 

畑で育っていたつやっつやに光った

美味しそうなつるむらさき。

 

長年勤めた会社を定年退職し、相澤さんが家の農業を継いだのは5年前。継いだときは「家で食べる分だけ」と販売用の野菜を作る気持ちはなかのだとか。

しかし継いだ矢先、東日本大震災が起こりました。福島にある奥さま陽子さんのご実家が被災し、家は全壊。大きなショックを受けたそうです。

「自分にも何かできないか」

そう考えて思いついたのが、作った野菜の売り上げを被災地に寄付することです。

「私が福島の実家に帰っている間に、一人で寄付のことを決めていて。びっくりしました」と奥さまの陽子さん。

志どおり、その年の1年間の野菜の売り上げを、全額寄付したそうです。

「震災の経験がなかったら、販売していなかったかも」と振り返る相澤さん。その後も、年に1度、「震災復興チャリティ」としてその日の売り上げを寄付する活動をしています。

 

植えて3年目のスモモ。

収穫が楽しみと話す相澤さん。

 

地域には、一人暮らしをしているお年寄りも大勢います。その見回りとして、地域の野菜販売を役に立てたいという思いもあるそうです。

「直売所に顔を出してくれると、あ、今日も元気だなって確認できる」

顔を見ないと心配になり、「野菜、出てますよ」とメールしたり窓越しに声をかけたりすることも。

 

相澤さんの信条は「地域で採れた旬の野菜をたっぷり食べれば元気で長生きできる」ということ。90歳を超えて元気だったご両親の健康の秘訣は、自分の畑で採れた野菜をたくさん食べたことだったそうです。

「地域の人が、地元で採れた野菜をたくさん食べれば、きっと元気に過ごせるはず」

直売所は、地域の元気の供給所。地元で採れた野菜を食べて、元気で安心して過ごせる地域の力になれたらうれしいと話してくれました。

 

 

相澤さんの畑では、いくつか種継ぎをして育てている野菜があります。

1つはいんげん豆。おじいさまの代から約100年継いだいんげん豆は、おじいさまの名を取り「与一いんげん」と呼んでいます。

 

美しいいんげんの花。

 

こちらのねぎは、種を作らない「坊主不知(ぼうずしらず)ねぎ」。

 

 

ができない代わりに、根元から分かれて株が増えていきます。その株を苗にし、継いでいくのだそうです。これもおじいさまの代から続いています。

その他、「与一のえんどう」の種も継いで育てているそうです。

 

また、今は自分で蒔いた「スナップえんどう」を5年間継いで育てているところだとか。

「年々、丈夫で美味しいスナップえんどうになっていると思いますよ」

長く継いで、いいスナップえんどうに育ったら、「孝一のスナップえんどう」と名付ける予定なのだそうですおかお(幸せ)

気になったことはすぐに試してみるタイプ。試すことで、畑のおもしろさも増えるようです。

 

 

なすも生育具合を実験中。

この実験結果は、今年の農業ウォッチングラリーの

クイズになるそうですよ音符

 

畑作業はもちろん大変なことがたくさん。でもその大変さも「おもしろい!」に変えてしまう相澤さんに、元気をたくさんもらった、取材でした。

 

左から相澤さん、奥さま陽子さん。

多摩市援農ボランティアの泉さんご夫婦。

(昨年のお二人の援農ボランティア講習の様子もご覧ください)

 

 

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