朝顔市2019*巡回レポート

  • 2019.07.02 Tuesday
  • 12:00

朝顔市2019*巡回レポート

 

今年で第37回目を迎える「ふるさと多摩夏祭り せいせき朝顔市」。

祭りの主役は何といっても多摩市内の朝顔栽培農家が丹精込めて育てた朝顔。

行灯仕立ての朝顔 約1,000鉢が、聖蹟桜ヶ丘駅前で販売されます。

 

昨年の朝顔市の様子。朝顔の鉢がずらりと並ぶ光景は圧巻!

 

今年の「せいせき朝顔市」は7月6日(土)・7日(日)。

どんな朝顔が並ぶのかな?今からとっても楽しみですね♪

なんて、のんきなことを言っている間にも、朝顔栽培農家さんは大忙し!

野菜や米も生産しながらの朝顔栽培は、4月下旬の種蒔きから始まり、

毎日の水やりや温度管理、土作り→鉢上げ→蔓巻き→花摘み…など

美しく丈夫な朝顔苗を育てるため日々の手入れが欠かせません。

 

6月12日(水)午前中、

朝顔の栽培指導をしている南多摩農業改良普及センターとJAの職員、

市の担当者が朝顔栽培農家を訪ね、生育状況を確認する巡回指導がありました。

この巡回指導は朝顔市の前日に行われる品評会までの間に3回行われますが、

今日は2回目。

7軒の農家さんのハウスを順番に回っていきます。

 

まずは貝取の濱田真治さんから。

 

 

「成長が止まってるみたいなのがあるんだよ」と困り顔の濱田さん。

濱田さんは朝顔市が始まった一番最初の年から朝顔を出品しているベテラン農家。

「毎年同じようにやっているんだけど、理屈どおりにはならないんだよなぁ」

そう言いながらハウスに並ぶ朝顔を見せてくれました。

 

 

勢い良く蔓が伸びて、支柱や行灯の輪に巻きつき始めている苗もあれば、

まだ支柱に届かない苗もあり、成長に差があるとのこと。

「(品評会まで)まだあと3週間以上あるから、様子を見ましょう」と

丁寧に観察をしていた普及センターの小澤さんとJAの鈴木さんが

これからの管理方法をアドバイスしていました。

 

そしてこの後、濱田さんも巡回をご一緒することに。

他の農家さんの朝顔の生育ぶり、気になりますよね。

 

 

2軒目は、今年初めて朝顔栽培に挑戦中の諏訪の相澤孝一さん。

相澤農園に週2回、農作業に来ている就労継続B型事業所グループTOMO

利用者さんとスタッフも朝顔の栽培を担当しています。

 

 

「これからやることを良く聞いておかないと!」と相澤さん。

指導係の小澤さんと鈴木さんに今後の管理方法を確認していました。

グループTOMO施設長の大木田さんが、

「初めてなので、これで良いのかが分からないんですよ」と、

心配そうに普段の作業の流れを説明してくれました。

大丈夫!苗は順調に育っているようです。

 

巡回に同行中の濱田さんからもアドバイス!

「蔓巻きの方向は時計回りの逆だからね、こうして中から外へ…」

実際に作業をやってみせながら分かりやすく教えてくれるので、

みなさん真剣に濱田さんの手元を見ていました。

 

▲左から大木田さん・相澤さん・グループTOMOスタッフの仙波さん・濱田さん。

 

 

次は関戸の小山儀一さん。

小山さんも朝顔市の第1回目から出品している熟練の朝顔生産者です。

 

 

朝顔市に来るお客さんから人気の高い、

渋い海老茶色の花を咲かせる「団十郎朝顔」について

「今年は種が少ないからな」と小山さん。

種って、毎年買っているんじゃないんですか…?

 

▲昨年の朝顔市に出品されていた「団十郎朝顔」。

 

実はこの「団十郎朝顔」、

もともと種が出来にくい特性で、市場にあまり流通していない希少な品種。

6年前に江戸川の農業試験場から種を譲り受けて以来、

農家さんたちが自家採取して栽培しています。

種の出来具合によって翌年の栽培数・販売数は変動しますが、

毎年、せいせき朝顔市に「団十郎朝顔」が並ぶのは、

多摩市の農家さんたちの種取りの努力の証なんです。

 

▲順調に成長中の小山さんの朝顔。行灯の輪が2段目まで付けられていました。

 

 

次は連光寺の萩原重治さんのハウスへ。

朝顔栽培を担当している萩原久美子さんが案内してくれました。

「今年は(成長が)ゆっくり気味。ここのところ気温が低いからかな。

雨の日は水やりしないけど、そうでなければ毎朝(水やりを)しています」

ハウスの中にずらりと並ぶ朝顔は230鉢。

 

 

「ぜんぜん虫が居ないですね。すごく良い調子です」

入念に観察してた指導係のお二人から嬉しい報告。

「蔓が太くて、節間が詰まっているのが良い朝顔」と教えてくれました。

 

▲小さな星の形をした赤い花を咲かせる「るこう朝顔」もありました。

 

 

次は同じく連光寺の萩原弘さん。

 

▲写真中央が萩原さん。巡回に同行中の濱田さんと情報交換。

 

斜面の中腹にあるハウスは風通しが良く、

両サイドのビニールを巻き上げると、まるで外みたいに開放的。

「蝶が卵を産みに来ちゃうんだよね」と苦笑いの萩原さん。

ハウスの隣では花苗を栽培中で、色とりどりの花がいくつも咲いていました。

そこへ飛んで来た蝶が朝顔のハウスにも舞い降りてくるそうです。

 

 

毎日の手入れの中で、些細な変化に気付き対応している農家さんたち。

200鉢を超える朝顔苗を管理するのは大変な作業ですね。

萩原さん、指導係のお二人と今後の対策を話し合っていました。

 

 

次は一ノ宮の太田茂さんのハウスです。

ハウスの中はポカポカの温室。

 

 

「生育が揃っていますね」

「葉がコンパクト。花芽もたくさん付いていますね」

良好な生育具合に、鈴木さんと小澤さんも嬉しそう。

 

“葉がコンパクト”というのは、全体のバランスと美しさに関わる大事なポイントで、

下段の葉が大きすぎず、まとまって付いていることで、それを背景に

上に咲く花がキレイに見えるのだそうです。

 

 

 

最後に訪ねたのは、同じく一ノ宮の小暮和幸さんのハウス。

品種や鉢上げ日によって成長スピードに差はあるものの、それは例年通り。

それぞれ順調に成長している様子でした。

 

 

「咲いてるのがありますね!」

朝の9時から順に農家さんを訪ねて7軒目。

すっかり正午を過ぎた頃でしたが、朝顔が咲いてくれていました。

今回の巡回で花が咲いているのを見るのは初めて。

青々とした葉の写真ばかりを撮っていた中で、最後に可憐な1枚が撮れました。

 

 

縞模様が特徴的な「常陸の花火」は、朝顔市でも人気品種。

西洋朝顔の系統で、他の品種に比べて成長スピードが早いのだそう。

葉の形がハートになっているのが西洋朝顔の見分け方。可愛いですね〜。

 

 

こうして今期2回目の巡回指導が終了。

多くの朝顔が行灯の輪の1段目を巻き始めているような状態でした。

 

この後もさらに育てていき、6月下旬に行われる3回目の巡回時や

朝顔市当日に並ぶ朝顔は、2段目の蔓巻きがされていることでしょう。

そして3段目の蔓巻きをするのは…?

そう!きっと、このブログを読んでいる、あなた。

 

 

2段目まで蔓が巻かれた朝顔は、朝顔市を経てお客さんのもとへ旅立った後、

育てていただく方に3段目を巻いてもらって、行灯仕立てが完成する仕組みです。

今年も多くの方に、多摩市の農家さんの手仕事を引き継ぎ、育てる楽しみを、

手元で感じていただけたらと思います。

 

7月6日(土)・7日(日)は、「ふるさと多摩夏祭り せいせき朝顔市」へ!

ぜひ、お気に入りの朝顔を見つけにお出かけくださいね☆

 

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