柚木農園の大豆収穫&脱粒*2018
- 2019.01.11 Friday
- 12:00
美味しい味噌づくりはここからはじまる。
大豆の収穫・脱粒作業@柚木農園
和田の柚木農園では、多摩市の特産味噌 原峰のかおりに使われる
大豆を栽培しています。
「大豆ということは枝豆だったんですか?」という、
もしかしたら当たり前すぎる質問にも、柚木さんは優しく答えてくれます。
「これは枝豆用の品種じゃないけどね。夏は枝豆だったよ(笑)」。
そう、わたしたちが夏にビールといただくのは枝豆。
その時期を通り越して10月中旬まで畑に置いておくと、茎葉が枯れはじめ、
サヤは茶色く、豆は固くなり、大豆としての収穫期を迎えます。
▲柚木農園の大豆畑。
11月の頭、収穫作業の最終日を迎えた大豆畑におじゃましました。
収穫の見極めは、枝を振ってサヤから「カラカラ」と乾いた豆の音がすればOK。
乾きすぎて収穫中にサヤから豆が弾け落ちてしまうのを防ぐために、
なるべく湿気のある朝の早いうちに作業します。
▲11月5日(月)、刈り払い機を使って大豆を刈り取る柚木さん。
株の根元を刈り取った後は、株20本ほどをひとまとめにし、
稲藁で作った縄で縛って束にします。
▲刈り取った後の大豆の株の束。
稲藁を湿らせて撚った「すげ」「すがい縄」と呼ばれる自作の縄で束ねています。
米農家でもある柚木さん、縄の材料はもちろんご自身の田んぼの稲藁。
▲軽トラックの荷台に山盛りの株。総量はこの3倍くらい。
株の束は、乾いた温室状態のビニールハウスの中で約1ヶ月ほどかけて
しっかり乾燥させてから、脱穀ならぬ脱粒作業をします。
ここで株の水分を飛ばしておかないと、脱粒機にかけた時に
サヤから豆が外れず、収量が減ってしまう原因になりかねません。
そして12月下旬、なんとも脱粒日和なスッキリと晴れた日の朝、
柚木農園に再びおじゃましました。
▲12月27日(木)、脱粒作業3日目の最終日。
援農ボランティアの小池さんも作業に駆けつけました(写真左)。
▲収穫後の大豆の株は、このビニールハウス内で乾燥させていました。
シートが敷いてある右側全部が大豆スペースだったそう。すごい量!
▲株の束を外へ運ぶ柚木さん。脱粒作業は粉塵が舞うのでマスク着用!
わたしも株の束を運ぶ作業をお手伝いしようと、ひょいっと束を抱きかかえると、
パラパラパラ・・・と、大豆がこぼれ落ちる音が。。
ひゃ〜〜!脱粒機にかける前に、ここで脱粒させてしまいました。
▲足下に散る大豆と、わたしの足。右は大豆の株の束。
それくらい良く乾いて、サヤから豆が外れやすくなっているのだとわかりました。
束を持つときは、結んである稲藁の縄を掴んで、そぉっと運ばなければ!
▲使っているのは大豆専用の脱粒機。
作業中は終始 機械から大きな音が出ているので身振り手振りで指示をし合います。
▲束にしていた縄をほどき、株を少しずつに分けて機械の中に入れていきます。
▲中で突起のついたローラーが回転して、枝を細かく粉砕。
バリバリバリ!と、大きな音を立てて、機械の前方の口から、
細かくなった枝やサヤなど不要な部分が吹き出されます。
▲後方の口からは、落ちた大豆が袋の中へ。
▲一定量の豆が袋に入ったら、新しい袋に付け替えます。
柚木農園の大豆は、例年100〜150kgほどが収穫され、
翌年の1月中旬頃から仕込む原峰のかおりの原料として使われます。
仕込みに間に合わせるためには12月中に脱粒→選別作業をしておきたいところ。
しかし今年は暖冬で、株が枯れるのが遅かったため、収穫期が後ろ倒しになり、
それに合わせて脱粒作業の日も後ろ倒しに。
毎年同じようにはならない自然相手の農業には、
数々の経験と臨機応変さが必要です。
▲袋の中に集められた大豆。思っていたより粒が大きい!
脱粒後は、また少し日を置いて豆を乾燥させてから選別作業を行います。
丸くて形の良い豆と、そうでない豆を選り分ける機械に通した後は、
大きな豆と小さな豆に振り分ける機械にもかけます。
▲大豆専用の選別機を横から観察。
そして最後は、人の目と手による細かなチェックが欠かせません。
木箱に豆を入れて傾け、転がり具合を見ながら不揃いな豆を取り除くのだとか。
なんて根気の要りそうな作業…!
丁寧に選り分けられたひと粒ひと粒が、美味しい味噌の一員になっていくのですね。
収穫からの行程を見てきただけに、ちょっと感慨深いというか、
より一層、原峰のかおりをじっくり味わいたい気持ちになりました。
▲脱粒作業が終わり、ひなたぼっこしながら談笑中の柚木さんと小池さん。
▲脱粒したての大豆。コロコロと丸く、やさしく光って見えます。
種から味噌になるまでの壮大な物語の一片を見た今回の取材。
続きは1月中旬からはじまる原峰のかおりの仕込みかな?
柚木さんの大豆が今年も美味しい味噌になりますように☆
(a)
- 四季折々、『農』のある風景
- -
- -