アスパラガス採りっきり栽培セミナーin明治大学

  • 2018.12.06 Thursday
  • 12:00

さらなる多収穫を目指して!

「アスパラガス採りっきり栽培®セミナー」に参加しました★

 

多摩市内では2年目の取り組みとなるアスパラガスの「採りっきり栽培®」。

従来のアスパラガスの栽培方法では収穫までに3年ほどかかるところ、

採りっきり栽培なら定植からわずか1年で高品質なアスパラガスが収穫できるので、

めでたく今年の春、この栽培法での市内産アスパラガスがデビューしました。

▲今年3月の市内のアスパラガス畑。太い若茎が顔を出しています。

 

この新しい栽培方法を研究・開発したのが明治大学農学部の元木准教授。

定期的に市内農家さんの畑を巡回し栽培指導してくださっています。

▲今年7月、柚木農園でアスパラガスの生育具合を確認する元木先生。

 

 

さて、11月17日(土)、この日は市内の畑巡回ではなく、

元木先生が指導する研究室主催の「アスパラガス採りっきり栽培セミナー」に

参加するため、市内農家さん7名が明治大学 生田キャンパスに集合しました。

▲明治大学のエントランス前にて。多摩市から参加した農家さんは、

小暮さん・小島さん・小形さん・柚木さん・大松さんご夫妻・新倉さん。

 

▼セミナー案内のチラシ。

 

 

参加者は、北は青森・秋田から、南は岡山・広島・徳島までと、

各地から総勢100名以上!

生産農家だけでなく、この取り組みに興味を持った方なら誰でも参加OKで、

なかには「学校に貼ってあったポスターを見て来ました」という中学生も!

 

▲まずは、アスパラガスが栽培されている野菜園芸学研究室の圃場へ。

 

はじめに、元木先生より開催の挨拶と圃場全体の説明、

先月に関東を直撃した台風による被害の話がありました。

 

「10月1日の台風24号は、ビニールハウスや農機具倉庫が壊れるほどでした。

5年目になる長期どりのアスパラガスは

茎葉が抜けるようにして倒れ、回復できませんでしたが、

採りっきり栽培の方は、茎葉はあまり抜けることはありませんでした。

支柱が傾いたり倒れたりしたため、

学生たちが一生懸命 立て直してここまで回復させました!」

 

なぜ採りっきり栽培のアスパラガスは根こそぎ倒れることなく耐えられたのか。

その訳は、早期定植・深植えのためとのこと。

採りっきり栽培には、天候や病害虫の被害を受けやすい露地での栽培において、

早期に強くて健康的な株を育て上げるための工夫や対策がしっかりあります。

 

次に、元木先生の研究室に所属している学生さんから研究内容の説明がありました。

大学院生の田口巧さん、学部4年生の加藤綾夏さんは、

元木先生と一緒に多摩市の畑巡回に来てくれた頼れる「先生」です。

 

▲研究内容と圃場の場所を案内する田口さん(中央)。

 

▲栽培管理の説明をする4年生の加藤さん(中央)。

 

▲「株の勢いがすごいなぁ。(間の道が)通れないくらい広がってるな。」

上にも横にも大きく成長中のアスパラガス。

 

 

試験によっていくつもの区画に分けて栽培されているアスパラガス。

どんな土、どんな畝で、どんな資材を使って、いつ、どのように定植するかなど…

より良い栽培方法を編み出すための、元木先生と学生さんの日々の研究が、

この圃場に詰まっていました。

 

▲冬に向けて茎葉が黄色くなってきたアスパラガス。

12月〜翌年1月に刈り取り、春を待ちます。

 

 

…圃場見学の後は、会場を教室に移して栽培セミナーです。

元木先生から、採りっきり栽培のメリットや技術面についての説明があり、

現在栽培中の市内農家さんは、復習も兼ねて、さらに理解が深まったようでした。

 

セミナー後半は、採りっきり栽培を最初に導入した川崎市の2人の農家さんと、

学部4年生の加藤さん、パイオニアエコサイエンス(株)の松永さんによる

パネルディスカッション。

 

元木先生からの「採りっきり栽培をやってみてどうでした?」という質問に、

川崎市の農家さんは

「管理に手がかからず、トマトやキュウリを作るよりもやさしいかも」

「初年度とても良くできたので、今年は倍以上を作っていて、好調です」との感想。

農作業の省力化ができ、誰でもできるようにと開発された採りっきり栽培が、

生産現場でしっかりとその研究成果を発揮していることが伝わってきました。

 

▲アスパラガスの規格(サイズ別のランク)について質問中。

田口さんがスラスラと規格サイズを答え、会場から「覚えてるんだ!すごい〜」と驚きの声が。

 

他にも、収穫前の注意点や太いアスパラガスを萌芽させるコツ、

紫色や白色、ピンク色のアスパラガスの作り方などなど、

盛りだくさんの内容で、あっという間にセミナーが終わりの時間に!

 

▲展示品の中に見覚えのある道具が!(両足を乗せてホップする遊具ではありません!)

多摩市の農家さんも使っていた定植用ホーラー(苗を植える時に畝に穴を開ける道具)です。

 

▲セミナーが終わり、学校を後にする市内農家さんたち。

みなさん、なんだか充実した表情です。

 

丸一日、アスパラガス尽くしの「採りっきり栽培セミナー」に参加し、

他の生産者さんとの交流や、新しい情報も入手した市内農家さんたち。

帰りの道中もアスパラガスの話で盛り上がっていました。

 

来年の春、2回目の収穫を迎える農家さん、初めての収穫となる農家さん、

これから新しく栽培を試みる農家さん、それぞれの視点で学べた濃〜い時間でした。

 

今日のセミナーを受けて、春にはたくさんの多摩市産アスパラガスが、

わたしたちの食卓に登場するかもしれませんね!

そして、その次の春にも…♪

 

 

※「採りっきり栽培」は、パイオニアエコサイエンス株式会社の登録商標です。

 

 

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